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(3/14追加)公開質問状(請願書)に対する、江戸川区教育委員会の回答は【ここ】【この記事】とあわせてご一読を。

2013年8月22日

【おやつ自主運営への道】File No-002 「子どもたちの声を踏まえて、補食の議論をしてほしい」 行政は、声なき声に耳を傾けて…

アクセス、ありがとうございます。
久しぶりの更新となった前回の記事について、驚くほどたくさんの反響をいただきました。終わったかに見えた江戸川区学童保育の「おやつ問題」、まだ収束したわけではないようです。むしろその背後に、「江戸川区は、学童"保育"を、これからどんな方向へ進めようとしているのか?」という、より大きなテーマが横たわっていると、関わっている者一同が、そんな思いを持ちつつあります。

さて、前回の記事は、夏休み中の補食について陳情を出した事例でした。
この中で、区がすくすくスクールのクラブマネージャー、サポーター(どちらもボランティア参加している地域の方々)にアンケートで補食の必要性を質問した際、「補食がなくなってよかった」という選択肢に圧倒的多数で回答があった、ゆえに補食は必要ない、という区の論旨が紹介されました。

この部分を受けて、補食の必要性を本当に問うべき相手は、学童の主体である子どもたちではないか? という疑問を持たれた方がおり、それを陳情として提出されたそうです。

今回はこの事例をご紹介します。


まずは陳情文をご紹介します。


すくすくスクールの子どもたちに補食についてアンケートを求める陳情

7月26日の区教育委員会の定例会で、夏休み中の補食持参についての陳情第4号が不採択になりました。この会議で浅野教育長から「夏休みは時間が長いといっても学校があるときと変わらない。特別な配慮が必要かどうか」という旨の発言がありました。

補食の廃止が打ち出されてから、私たち保護者は親としての心配な気持ちとともに「補食がなくなるのは嫌だ」という子どもたちの思いを区に届けてきたつもりです。しかし、いま行われている議論はおとなだけの意見や考えであり、子どもの意見や考えが反映されていません。

時間だけを見れば、教育長がいうように学校があるときと変わりません。しかし、長期休みは通常の学校生活とは違います。子どもたちは特別な配慮を必要としているから、学童登録をしているのです。各家庭によって必要としている特別な配慮の度合いは違うでしょう。補食を必要としている子どもは少数かもしれませんが、そういう子どもたちの声に耳を傾けてほしいと思います。

以上の点を踏まえ、教育委員会の理念にあるように子どもの人権を尊重し、一人ひとりが安全な生活を送ることができるよう ▽補食があったほうがいいのか、なくてもいいのか、どうしてそう思うのか ▽夕方おなかがすいていないか ▽補食を食べる子・食べない子に分けられていたと感じたことがあるか などについて、すくすくスクールの主役である子どもたちにアンケートを実施してください。そのうえで、補食に関する議論が行われるようお願いします。

この陳情は、「陳情第6号」として、江戸川区ホームページの「教育委員会の会議」に掲載されています(「第15回定例会」の項目をご覧ください)。

そして8月13日(火)午後1時から行われた、教育委員会・第15回定例会で審議されました。傍聴に行った方から、レポートをいただきました。

なお教育委員会の公式な議事録が、江戸川区のHPにアップされるのは、過去の例を見ますとおよそ3ヶ月程度かかっております。しかしそこまで待てないということで、傍聴された方はメモで対応されたそうです。そのため、一言一句は正確ではありませんが、各々の発言の主旨はそのままであると、投稿いただいた方から伺っております。

以下は投稿文、【注】の部分は当会による注釈です。

陳情6号の審議を傍聴するため、教育委員会の傍聴に行ってきました。出席者は、前回と同じく教育長を含む委員の方々4名と、すくすくスクールの担当課課長など複数の区職員の方でした。

まず陳情6号について、担当課長から内容の朗読がありました。これに対して、前回、教育委員会の基本方針などを挙げて、補食の必要性を再議論すべきだとした委員の方(委員Aさん)から、下記の発言がありました。

委員A
「アンケートを行うことは賛成。アンケートをとるのであれば、子どものアンケートだけでなく、保護者がどう考えているのかを含めて、アンケートをとることをしてさし上げたい。陳情内容を(子供だけでなく、その保護者もと)広義に捉えて、YESという回答でもいいのか?」


委員長
「小学校1年から6年生で、学童クラブとなれば特に低学年の子どもたちが中心になる。これら質問に対してどう答えるか。1つめの『補食があったほうがいいのか』という質問には、そりゃああったほうがいいいいよ、と思うかもしれない。2つめの『夕方おなかがすいていないか』という質問には、夕方になれば大人だってお腹がすいてくるわけで、すいているよとなるかもしれない。3つめの『食べる子、食べない子に分けられていたと感じることがあるか』という質問は難しい。…補食が廃止になって1年ですか?」


ここで、担当課長から「いえ、4月に廃止になりました」と、訂正の報告がありました。学童の補食の廃止は、ご存知の通り平成25年4月からです。ここで委員長は、いつから補食が廃止になったのかを知らずに議論を進めていたことが判明しました。

委員長
「子どもたちにアンケートをとること自体どうなのかな? 生徒からアンケートをとるという場面はそう多くない」


委員B
「低学年が多いすくすくの子どもたちには、すごく難しい質問だ。正確な判断は難しい」


教育長
「子どもに素朴に聞く…内容的に難しい。人権を尊重し、などと言われるが、(すくすくスクールを運営するにあたって)我々は決定的に子どもたちにプレッシャーをかけることはしていない。それを前提にすると、アンケートをとって、いったいどうするのか? とったその後、どうするということなしにやれない。陳情の中でも少数意見とあるが…改めて今これをやるべきではない。子ども皆にアンケートをとるというのは、それなりに重みにあることだ。これはすくすくのことだけでなく、子ども全般のサービスに関わることで、(いちいち子どもに)意見を聞くことはない。保護者に聞いて判断してやることだ」


委員A
「クラブマネージャーに聞き取りを行うのは、運営責任者の立場だから当然のこと。保護者の意見を吸い上げていなくてよろしかったでしょうか?」


課長
「(補食廃止の)お知らせをした直後に、説明会を開いた。全すくすくで行った【注1】。いま保護者の方々が自主的に運営させて欲しいと言ってきたのは11校、今現在言っているのは1校だ」


【注1】担当課長より、「全すくすくで、補食廃止について説明会を行った」とありますが、現在当会で把握している限りでは、廃止前の平成25年2~3月の間に、保護者向けの説明会を開催したと確実な情報があるのは、区内で1校のすくすくだけです。

多くの学校では、1月に教育委員会発行の手紙「すくすくスクールにおける補食の廃止について」を子どもが持ち帰ってきただけで、その後の説明会は一切なかったとの情報が多くあります。
また手紙配布後、保護者が説明会の開催を担当部署に要望したものの「断られた」「開催の必要はない」と回答があった、という情報が何件も寄せられています。


ここに、「全すくすくで行った」とする区側の説明と相違があります。もし、「うちも補食廃止の説明会が開催された」という区内の情報がありましたら、事実確認のためぜひメールで(こちら)お寄せください。

委員長
「『自主的に運営させて欲しい』が11校、今でも言っているのが1校というのは、おおむね教育委員会の意見が受け入れられていると見ていいのか?」


課長
「はい。ほかには陳情書、区長への手紙などをいただいている」


委員B
「6時に帰宅するとおなかがすくというのは当然。10~15分くらいで帰宅するとすれば、その段階で保護者が栄養面とかを考えて予め料理をしておけばいい【注2】。5時に補食をだしていたことを考えれば、6時過ぎというのはわずかな時間の差だ。保護者の帰宅が遅くて8時、9時帰宅というケースもありうるだろうが……今までのすくすくの5時に補食をさしあげるのであれば、私は十分間に合うものと思う。自宅で生活のリズムの中で子どもに提供してあげればいい」


【注2】都心に通勤して6時まで子どもを学童に預けている母親の場合、5~6時の時間帯は通勤電車の中にいる場合が多いため、栄養面などを考えて食事を作り6時15分に子どもに提供することは困難、という事実も一方であります。

委員Bさんが少しだけ触れているように、「保護者の帰宅が遅くて夕食が8時、9時」というケースがあるからこその、学童の補食のニーズです。

教育長
「区議会の文教委員会の場でも、すくすくと学童クラブは別で、学童クラブは特別の配慮が必要という議論をしているようだが……補食希望者が減ってきているので廃止という方向が出たわけだし……一般登録児童も学童クラブ児童も一緒だ。夏休みも普段も一緒。一緒に過ごすのだから一緒にいる以上は同じでないとだめ。アンケートをとるなら、学童の子、一般の子も入れるのか、そういうところまで踏み込んでやるべきではない」


委員A
「説明会は、全校で開いているのは事実でしょう
【注3】。ただその場にいらっしゃらなかったような方々から、意見をくみ上げるような丁寧な動きをとられていらっしゃいましたでしょうか?」

【注3】注1でも触れたとおり、説明会があったという区内の小学校は、全73校のうち1校のみ、という情報があり、「全校で開催した」という情報と相違があります。もし「うちも開催された」という情報がありましたら、ぜひ当会にお寄せください。ご連絡先はこちら

課長
「とくに欠席者に対しての説明はしていない」


委員A
「声なき声といいましょうか。説明会にきて発信される方は、補食がなくなってどうなるか、わかっている人たちだと思う。補食がなくなるとどうなるか、読みきれない部分もあったと思う。説明会にも出られなかった、通知ももらったが、実際廃止されてみて初めて、『これって結構困るわ』『とんでもないわ』と思っている人も多いように思う。行政って『一度決めたらこれでいいでしょう?』ではなくて、途中で修正することがあっていい。(今回の問題だけでなく)教育もそうですが、3歩進んで2歩下がるくらいのことが大事。うしろを振り返るような、そういうことを悪しとはしない、良しとすることが大事だ」


委員長
「今日はアンケートについて陳情なので、議論をもとにもどしたい。子どもへのアンケートをとることを求める陳情に対して、採択、不採択をとります」


採択   委員A
不採択 他の委員3名
……よって不採択。


教育委員会の委員長の立場にある方が、学童クラブの補食廃止がいつから実施されているかも知らずに、陳情書の議論を進めていたことに驚きました。いったいこの方々は、何のために、誰のために、区民からの大事な陳情を議論しているのでしょうか? 教育委員会が、区長が実施する政策をただ追認するだけの機関と思えてなりません。

その中で委員Aの方が、前回に続き陳情書に賛成の立場で発言されたことは、本当にうれしく一筋の光を見る思いがしました。「声なき声に耳を傾けよう」「3歩進んで2歩下がることも大事」という言葉に、区民本位の行政って本当はそうあるべきと、強く思いました。

投稿は以上です。ありがとうございました。皆様のご参考になれば幸いです。
引き続き、次のレポートを準備して参ります。よろしくお願いいたします。

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